病苦
2021年4月28日
今まで多くの患者さんの診察をさせてもらいました。不快な症状があって生活が不便でお困りであり、できることならそれが楽になって欲しいと診断や治療に努めてきたつもりです。しかし最近感じることは同じ病気や症状であっても一人一人感じ方が違うということ。つまり苦しみ方が違います。中には前向きに捉えて「今見つかって良かった」や「人生を見つめ直すきっかけになった」とおっしゃられる方もいます。一方でほとんどの方が「何で自分がこんな目に」や「あれが悪かったから」と苦しんでいます。僕は病気で苦しんでいるのは心だと思うようになりました。患者さんの病気、そして全人を診ることはもちろん、「病で苦しんでいる心」つまり「病苦」を少しでも和らげられたらと思い、日々の診療にあたりたいと思っています。