寂しさとともに
2023年11月9日
一人でいようが、みんなといようが、誰といようが寂しさを感じたことがある。また陽が短くなり、寒くなるこの季節は寂しさを感じやすくなる。寂しさを感じるのは誰にでもあることで、我々の本能であると考えている。だからそれと向き合うことは大切な構えである。寂しさは、群れを成さねば生き残れなかった人類が、長きの生存競争に生き残るために、また幼き頃母親から庇護を得るために、繁殖行動のために感じる脳内の反応の一つである。食欲や性欲と言った原始生物も持つものよりは少しだけ高次脳機能かもしれないが、人間誰もが感じるものである。だとすればそれと向き合い、対応することが僕たちのできることであろう。寂しさから怒りで他人を攻撃したり、寂しさに付け込んだ詐欺やカルト宗教が後を絶たないことからも、寂しさとの付き合い方を上手くできる人こそが、自分を幸せへと導けることも間違いない。つまり寂しさを感じなくなることは不可避であるが、寂しさを自分を知る一歩と考えられるようにすることは可能である。例えばこの時期が寂しいのは、寒さに慣れていない体を温めようとするためであるし、また自分の子供や配偶者が思い通りにならないと寂しさを感じるのは、自分とは違う別人格であると再認識するためである。その寂しさには必ず意味があるのである。