院長ブログ

医学生の頃

2022年10月3日

 医学生の頃、沢山の病気を全く新しい脳で学習した。多くの症状が自分に当てはまる気がして、一抹の不安を覚える連続の日々であった。その不安を友人に打ち明けると、同じ不安を感じていると聞き、少し安心できた。またその心理状態をヒポクラテス症候群ということを知ったら、疾患を学んでも不安を感じなくなったことを今日思い出した。
 さまざまな症状や体調の変化をみんなが感じる。原因をスマホでググったりする。自分で調べ過ぎたら余計に不安になったりもする。しかし症状は何の疾患からくると分かれば安心する。一方で医師側は「診断つけてもやることは変わらない」と疾患診断を怠けがちである。正直なところ僕も心の中ではそう思わざるを得ないこともある。しかし診断がつけば治療や予後も分かるし、何よりも不安が取れる。患者さんの不安が取れれば、医師としての本分を全うできる。だから診断をしっかりつけられる医師でありたい。やることは変わらないとは言わない医師でもありたい。



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